バーチャルオフィスの住所で法人登記はできます。僕は合同会社の本店所在地として、GMOオフィスサポートの住所をそのまま登記して通りました。
自宅の住所を登記簿に載せたくない。かといって、事務所を借りる余裕もない。そうやって選択肢を消していった先にバーチャルオフィスが残った、という方が多いんじゃないでしょうか。
僕もそうでした。だから「使うといい」という話ではなく、実際に出してみて何が起きたかを書きます。登記が通ったかどうかだけでなく、そのあと法人口座とクレジットカードが通ったのか、登記した住所に郵便物がどう届くのかまで。
僕が契約しているのは、東証プライム上場のGMOグループが運営するGMOオフィスサポートです。サービス自体のレビューはGMOオフィスサポートの評判・口コミと約1年使ったレビューで詳しく解説しています。
書いているのは、合同会社の代表として GMOオフィスサポート の住所を約1年使い続けているSHIBAです。詳しいプロフィールは運営者情報にまとめています。
バーチャルオフィスの住所で法人登記はできる
制度の上でできるかどうかより、出してみてどうだったかのほうが知りたいところだと思います。結論は最初に書いたとおりで、通りました。
会社の本店所在地には、実際に事業を行う場所を置く決まりがあるわけではありません。バーチャルオフィスの住所を本店として登記することも、法律上とくに禁じられてはいないんですね。
ただ、通ったあとに何も起きないのか。登記できることと、事業が回ることは別の話です。そこは後半で書きます。
本店所在地にバーチャルオフィスの住所をそのまま書いた
設立の書類には、GMOオフィスサポートから割り当てられた住所をそのまま本店所在地として記載しました。何か特別な書き方をしたわけではありません。
バーチャルオフィスであることを理由にした指摘や、追加の確認を求められた場面は一度もありませんでした。登記はすぐに終わっています。
GMO側で必要だった手続きも、特にありませんでした。契約するときに登記可のプランを選んでおいた、それだけです。バーチャルオフィスによっては登記利用が上位プランや別料金になることもあるので、そこは契約前に確認しておきましょう。
なお、これは僕1件の記録です。誰が出しても必ず同じ結果になる、という保証をする話ではありません。
東京開業ワンストップセンターで自分で手続きした
司法書士には依頼していません。東京開業ワンストップセンターで相談しながら、自分で進めました。
流れとしては、まず7月上旬の起業相談会に参加しました。そのあとメールで提出する資料をチェックしてもらい、相談会から約3週間後に資料を出して設立という具合です。
このセンターは国と東京都が共同で運営していて、何度使っても無料でした。定款認証・登記・税務・年金や社会保険・入国管理といった手続きを1か所で扱っていて、各省庁から派遣された相談員が申請書類の受付までやってくれます。
正直、拍子抜けするくらいポンポン進みました。想定外だったことは特にありません。
なお、公式サイトに偽サイトへの注意喚起が出ています。検索でたどり着いた場合は、ドメインが「metro.tokyo.lg.jp」かどうかを確認してください。登記そのものについては、バーチャルオフィスだからという理由で止まる場面はありませんでした。むしろ気にすることになったのは、登記のもっと手前と、ずっと後のほうです。
自宅の住所を登記に使いたくなかった理由
そもそも自宅の住所でよかったのでは、と思われるかもしれません。費用もかかりませんし。
僕がそうしなかったのは、登記簿が誰でも見られる仕組みだと知ったからです。
登記事項証明書は誰でも600円で取得できる
法務局の案内には、はっきりこう書かれています。
誰でも手数料を納付すれば会社の登記事項証明書を取得することができます(商業登記法第10条第1項)。
その手数料も安いです。法務省の登記手数料の案内によると、窓口や郵送での書面請求で1通600円。オンラインで請求すれば490円から520円で済みます。いずれも令和7年4月1日からの金額です。
つまり、600円払えば、誰でもあなたの会社の本店所在地を確認できます。取引先も、顧客も、まったく面識のない人も同じです。
「登記簿は公開情報です」と書かれているのを読んでも、正直あまりピンときていませんでした。金額を知って、ようやく現実味が出たという感じです。
賃貸物件では契約で法人登記を認められないことがある
もうひとつ、住んでいる部屋の契約という問題があります。
賃貸借契約や分譲マンションの管理規約で、法人登記を認めていない物件があります。事業用の使用を想定していない契約だと、そもそも登記に使えません。
契約内容は物件ごとに違うので、一律にどうとは言えないところです。自宅で登記する前提で進めるなら、契約書を先に読んでおきましょう。あとから契約違反を指摘されるのは、住まいそのものに関わる話になってしまいます。
自宅を避けた理由は、この2つでした。プライバシーの話と、契約の話。どちらも登記を出したあとで気づくと面倒なことになります。
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バーチャルオフィスで登記するときだけ気にすることになった点
では、住所さえ借りれば誰でも同じように通るのか。そうとは限りません。
普通の住所では起きないことが、バーチャルオフィスでは起こりえます。1つの住所を大勢で共有しているという構造から来る話です。
同じ住所に同じ商号の会社があると登記できない
法務局の案内に、こう書かれています。
既存の他の会社と商号及び本店の所在場所を同一とする内容の登記は、することができません(商業登記法第27条)。
同じ住所に、同じ商号の会社は登記できません。ここで効いてくるのが、バーチャルオフィスの構造です。
1つの住所に何百社と登記されている状態なので、普通の住所より商号がぶつかる確率が構造的に高くなります。ただ、判定はかなり厳密です。法務局は「ホウム株式会社」と「ホウム合資会社」、あるいは「ホウム株式会社」と「株式会社ホウム」は同一の商号に当たらない、と例示しています。完全に一致した場合の話だと考えてよさそうです。
同じ商号の会社がすでにあるかどうかは、オンライン登記情報検索サービスで調べられます。商号を決めきる前に一度見ておくと安心でしょう。
許認可が必要な業種は事務所の実体を求められることがある
業種によっては、事務所の実体そのものが許可の要件になっている場合があります。人材派遣や宅地建物取引業、建設業などがよく挙げられます。
こうした業種では、住所だけを借りた状態では要件を満たせないことがあります。
要件は所管する官庁ごとに定められていて、改正もあります。僕自身はIT系の事業なので、許認可の申請をした経験がありません。検討している業種があるなら、所管の官庁か専門家に直接確認してください。
もうひとつ、これは感触の話として書いておきます。バーチャルオフィスの住所だと、お金を借りにくかったり、助成金や補助金の対象になりにくかったりするのかもしれない、と漠然と思っています。ただ、実際に借入や補助金の申請をしたわけではないので、裏付けのある話ではありません。そういう引っかかりが自分の中にある、という程度に受け取ってください。
気にすることになったのは、この2点でした。どちらも登記を出す前に潰しておける話です。
「バーチャルオフィスは怪しいのでは」という不安がまだ残る方は、バーチャルオフィスは怪しいのか?合同会社代表が約1年使った正直な感想で詳しく解説しています。
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登記した後に法人口座とクレジットカードが通った
登記が通っても、法人口座が開けなければ事業は始まりません。ここが本当の関門だと思っていました。
ネットで調べると「バーチャルオフィスだと法人口座の審査が厳しくなる場合があります」という記述には行き当たります。ただ、実際どうだったのかを書いている記事にはあまり出会いませんでした。僕の場合は、口座もカードも通っています。
登記からカードが手元に届くまで、実際はこういう順番でした。
| 時期 | 出来事 | かかった期間 |
|---|---|---|
| 7月上旬 | 東京開業ワンストップセンターの起業相談会 | ー |
| 7月下旬 | GMOオフィスサポートに申し込み | 審査は翌日完了 |
| 8月上旬 | 資料を提出して設立 | 登記はすぐ完了 |
| 8月下旬 | GMOあおぞらネット銀行に申し込み | 約1週間で開設 |
| 9月上旬 | 三井住友カード ビジネスオーナーズに申し込み | 約1ヶ月で到着 |
法人口座は申し込みから約1週間で開設できた
GMOあおぞらネット銀行に申し込んで、約1週間で開設完了の連絡が届きました。一発で通っています。
バーチャルオフィスの住所だからという理由で追加の質問が来たり、不利に扱われた感触はありませんでした。同じGMOグループのサービス同士という点は、多少効いていたのかもしれません。ここは推測です。
ただし、法人口座の審査は事業内容や提出書類で結果が変わります。バーチャルオフィスの利用者なら誰でも通る、という話ではない点はお含みおきください。法人カードは2枚とも審査に通った
三井住友カード ビジネスオーナーズは一発で通過しました。ただ、手元に届くまでは1ヶ月ほどかかっています。
時間がかかった理由は審査ではなく、書類の郵送でした。申し込みのあとに口座振替依頼書が郵送で届き、それを返送してからカードが発送される流れだったんですね。通常のクレジットカードより一手間多い分、日数が延びたという話です。
Freeeカードもその後に追加で申し込みましたが、こちらも問題なく発行されました。
登記が通ったあと、口座もカードも詰まりませんでした。住所を借りた状態でも、事業を始める最低限の道具は一通り揃ったことになります。
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登記した住所に届く郵便物の実際の扱い
住所を借りるということは、そこに届いた郵便物を誰かに預けるということでもあります。
登記した住所には、税務署や年金事務所からの書類が届きます。取引先からの請求書も同じです。ここの運用が自分に合っていないと、後からじわじわ効いてきます。
週1転送プランで実際にどう届くか
僕が契約しているのは週1転送のプランで、月額2,750円です。届いた郵便物を週に1回まとめて自宅へ転送してもらう形になります。
スピードそのものに不満はありません。通常の書類なら待てる範囲です。
ただ、急ぎの書類が頻繁に届く事業だと話が変わってきます。最大で1週間近く手元に来ない可能性があるので、その場合は来店受取ができるサービスを選んだほうがいいかもしれません。
郵便物の写真確認は月額1,100円の追加になる
こちらは正直、不満に思っている点です。
届いた郵便物の写真を見るには、月額1,100円のオプションが必要でした。付けていないと、何が届いたのかが転送されてくるまでわかりません。
差出人だけでも見えれば、急ぎかどうかの判断がつきます。それが基本料金に入っていないのは、地味に不便です。
月額2,750円に1,100円を足すと3,850円。安さを理由に選んだのに、そこそこの金額になってしまうという悩ましさがあります。
郵便物まわりの使い勝手は、GMOオフィスサポートの評判・口コミと約1年使ったレビューでもう少し詳しく解説しています。
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登記に使うバーチャルオフィスを選ぶときの判断軸
料金表を並べて安い順に選ぶと、登記という目的からはずれた選び方になります。
月額660円のプランが登記に使えるとは限りませんし、郵便物の条件も事業によって向き不向きが分かれるからです。僕が契約前に見ておけばよかったと思う点が3つあります。
登記利用が基本料金に含まれているか
いちばん最初に確認すべき点です。
月額の安さを見て申し込んだら、登記利用は上位プランだった。あるいは別料金だった。そういうことが起こりえます。
僕の場合は週1転送プラン月額2,750円で登記に使えました。最安のプランではありませんが、郵便物の転送込みでこの金額なら納得しています。
郵便物の転送頻度と追加料金の条件
自分の事業にどれくらいの頻度で郵便物が届くかで、選ぶプランが変わります。
月1回の転送で足りるのか、週1回必要なのか。写真確認のようなオプションが基本料金に入っているのか、別料金なのか。表示されている月額だけで比べると、あとで実際の支払額が変わってきます。
僕は写真確認の1,100円をここで見落としていました。
運営会社が撤退したときに何が起きるか
サービスが終了すると、登記した住所が使えなくなります。本店を移す登記が必要になるということです。
だから、運営会社が急に消えない事業者を選んでおく意味があります。上場企業のグループか、長く運営されている老舗か。この2つのどちらかを満たしていれば、最低限の目安にはなるでしょう。
僕がGMOオフィスサポートを選んだ理由のひとつも、そこでした。
DMMバーチャルオフィスとの具体的な違いはGMOオフィスサポートとDMMバーチャルオフィスの違いと選び方を解説、申し込み後の審査の流れはGMOオフィスサポートの審査は厳しい?合同会社代表が申込翌日に通った話でそれぞれ詳しく解説しています。
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登記した住所を後から変えると3万円かかる
月額の安さで選んで、あとから別の事業者に移る。そうなったときにかかる金額を、僕は契約前に調べていませんでした。
国税庁の登録免許税の税額表には、こう書かれています。
| 項目 | 課税標準 | 税率 |
|---|---|---|
| 本店または支店の移転の登記 | 本店または支店の数 | 1箇所につき3万円 |
| 合同会社の設立の登記 | 資本金の額 | 1,000分の7(6万円に満たないときは1件につき6万円) |
| 株式会社の設立の登記 | 資本金の額 | 1,000分の7(15万円に満たないときは1件につき15万円) |
出典は国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」で、令和7年4月1日現在の法令等にもとづく金額です。
ここで注意したいのが、「1箇所につき」という書き方です。
引っ越し先が今と同じ法務局の管轄内なら3万円で済みます。管轄をまたぐ場合は、旧本店の所在地と新本店の所在地の2箇所で申請することになるので、3万円×2箇所で6万円です。世間で「管轄外への本店移転は6万円」と言われているのは、この構造から来ています。
合同会社の設立が最低6万円だったことを考えると、住所を変えるだけで設立と同じかそれ以上の費用がかかる計算になります。しかも、これは登録免許税だけの金額です。
安さだけで選んで、あとから移すことになると、その差額はあっという間に消えます。契約後の解約と契約期間のルールについてはGMOオフィスサポートの解約手順と契約期間のルールで詳しく解説しています。
申し込み時に初年度の基本料金が20%割引になるクーポンコードの使い方はGMOオフィスサポートのクーポンコードで初年度20%OFFになる方法にまとめてあります。
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バーチャルオフィスで登記はできるが、効いてくるのは最初の1社選び
GMOオフィスサポートの住所を本店所在地として登記して、指摘も追加確認もなく通りました。そのあと法人口座は約1週間で開き、法人カードも2枚とも発行されています。司法書士には依頼せず、東京開業ワンストップセンターで相談しながら自分で進めました。
一方で、登記の前に確認しておいたほうがいい点もありました。同じ住所に同じ商号の会社がないか。許認可が必要な業種に当たらないか。この2つです。
そして、いちばん効いてくるのが最初の1社選びでした。住所を後から変えると1箇所につき3万円、管轄をまたげば6万円かかります。月額の数百円を削って、あとで数万円払うことになるのは避けたいところです。
自宅の住所を登記簿に載せずに会社を始めたいなら、バーチャルオフィスは現実的な選択肢になります。少なくとも僕の場合は、登記も口座もカードも、この住所で通りました。
\ 法人登記OK・東証プライム上場グループ運営 /
GMOオフィスサポート 公式サイト
合同会社代表の僕が本店所在地として登記に使い、約1年契約し続けているバーチャルオフィス。月額660円〜、入会金0円、法人登記OK。GMOあおぞらネット銀行の口座開設も連携してスムーズです。

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